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小田急線沿線の生田駅前歯科クリニック 歯科医師の大西です。
皆さまこんにちは。マスク生活も長くなりましたがいかがお過ごしでしょうか?
先日、患者さんから舌磨きについて質問がありました。
過去に朝日新聞に舌磨きについて寄稿した記事がありましたので、加筆修正して下記に記載します。
ぜひ参考にしてください。
Q: 歯みがきより大切なことは「舌磨き」と聞きました。具体的にどのようにすればいいのでしょうか。
A: こんにちは。歯科医師の大西です。
舌は汚れがつくんですかとよく聞かれます。もちろん汚れはつきます。そして、実は口臭の原因となり、汚れを取るだけでも改善するといわれています。
舌をみがく理由は、舌の表面に舌苔という汚れが付くためです。舌苔とは硫化水素など揮発性硫黄化合物を含み、腐卵臭がするため口臭の原因の一つです。
腐乱臭とは温泉のにおいですね。腐った卵の臭いです。温泉に行くと臭いますが、自分の口からあの臭いの成分が出ていると思うと皆さん嫌ですよね。
また、舌苔は臭いだけでなく、多くの細菌を含んでいるため、肺炎の原因にもなります。特に免疫力が落ちている方、誤嚥しやすい年配の方は要注意です。
ぜひ舌をきれいにしていきましょう。
舌磨きのやり方は一言でいうとやわらかいブラシで奥から手前に引く。それだけです。
ただしもう少し丁寧に手順を説明すると以下になります。
具体的なやり方は次の4ステップです。
1.ブラシを濡らす。(舌磨き用のジェルがあればより効果的です)
2.舌を突き出して鏡で汚れを確認する。(舌を出した方が嘔吐反射が出にくいです)
3.鏡を見て汚れているところ(舌苔)にブラシをあてて手前に引くようにして汚れを取る。(汚れを飲み込まないように一度引いたブラシは往復しない)
4.ブラシをきれいにする。汚れが取れていなければ1から4を繰り返す。
舌ブラシ、ジェルは各メーカーから出てますので、大きさや香りなど自分に合うやつを選んでください。
舌の表面は傷つきやすいため、弱い力でやりましょう。できれば舌用ブラシが薬局に売っているので用意してください。1日1回朝でいいと思います。
清掃後はマウスウォッシュを使うとより効果的です。
舌ブラシとクリーニングジェル
マウスウォッシュ
ただし、舌磨きが歯みがきより大事というわけではありません。歯みがきが不足し、虫歯、歯周病が進むと、歯がなくなり胃腸に負担がかかります。
また、歯周病菌が歯茎から血管に入ることで糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞のリスクが高くなることがわかっています。
お口の中をしっかりきれいにすることがご自身を守ることにつながります。
歯みがき、舌磨きをしっかり行い、口の中を清潔にしましょう。
また、歯磨きをしていてもどうしても歯周ポケットの中(歯茎の中)は汚れが取り切れないとこがあります。
そこは歯医者に行って専用の器具(超音波スケーラー、ラバーカップ)などできれいにしてもらってください。
歯周病で歯が無くなって入れ歯やインプラントになる方が多いです。
入れ歯だと食事も食べにくくなり、お肉や漬物、おせんべいなどはすごく食べにくくなります。
食事が楽しくできて、食べ物をよく噛めることが健康で長生きの秘訣です。
少なくても半年ごとに歯医者さんで検診を受けて、ぜひ楽しい食生活を送ってください。
生田駅前歯科クリニック 歯科医師 大西
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